今日も歌があるから

Tiamat / T'apo Eagh / ScreenShots : http://www.flickr.com/photos/100497787@N06/

劇場版 TIGER & BUNNY -The Rising- を見てきました。

『劇場版タイガー&バニー - Rising - 』を見てきました。
といっても2週間くらい前に。

 TVアニメで爆発的な人気を博して今もなお衰えを見せないタイガー&バニーの劇場版ということで、お客さんも結構入っていてにぎわっていました。やっぱり女性のお客さんが多かったですね。私はタイガー&バニーは前半戦が好きで、後半戦は完璧にダレてつまらなかったなあという印象だったのでやや不安を抱きつつに足を運びました。
 TVアニメから1年半?くらい経過しているので冒頭に「これまでのタイガー&バニー」みたいな、5分程度のダイジェストがありました。これ見ててもやっぱり後半のマーヴェリックおじさんのくだりはつまんねえなあと再確認。全体的にアメコミテイストが強い作品なのでヒーローとヴィランのそれぞれの葛藤があるのは大いに結構なのですが、つまんないとこまでなぞっちゃったのは残念で、そこが不満点でした。劇場版もそうならないことを祈りつつ見たのですが、不安を払拭してくれた素晴らしい作品でした。
 
 舞台はTVアニメの世界から数か月程度経過したシュテルンビルドで、変わらずヒーロー活動を続ける面々。いぼいぼおじさんのバックアップがなくなったために資本の移動なんかもあって、それぞれが以前とは少しずつ変わっていて、内面的な悩みや葛藤が描かれていました。作品のキャッチコピーが「己の正義 己の守るべきもの」ということで、色々な場面でそれぞれの正義が問われるシーンがあります。ヒーローが自分の掲げる正義の正しさに疑問を感じたり、ヒーローであるための気負いを描くのはアメコミのお家芸ですけれども、この作品ではそういうことあんまやらないだろうなあって思ってたので意外でした。しかも結構がっつり描いてくれて、異様におっさん臭いお話でした。私は大喜びです。
 今作では新ヒーローとしてゴールデンライアンが登場します。事前の映像や振る舞いからは嫌味な奴という印象で、こいつがなんかやらかすんだろうなーと思ってあんまり活躍を期待していなかったのですが、これがまたかっこよかった。輝く黄金の鉄の塊!ニヒルな笑顔とキザなセリフに裏打ちされた実力!態度はデカいけどめっちゃ強い!なんかレミーっぽい!斜に構えて見てたけど、後半はライアンめっちゃ応援してた。フィギュア出てほしい。アニメに出てきたヒーローたちは総出演しているのでダークヒーロー的立ち位置のルナティックも登場します。相変わらず若干影の薄いルナティックさんですけども、ルナティックの掲げる正義は断罪ですので、甘っちょろい虎徹おじさんの正義と対照的に映し出すのは効果的な演出だったと思います。もっと活躍してほしいなあ、ルナティックさん。
 全体としては人間模様8割で構成されていて終盤に怒涛の戦闘シーンがあるのですが、これがまたかっこよかった。バーナビーのためにワイルドタイガーはコミカルに描かれすぎていて演出としてのタイガーはあんまり好きになれなかったのですが、ここぞというときのタイガーはばつ牛ンに、抜群ににかっこよかった。娘の楓ちゃんもかわいくなってたし、父親らしさも見せてくれてよかったです。
 
 TVアニメ版をほとんど知らなくても(覚えていなくても)楽しめるように作られていて、100分くらいの上映時間の中でダレることもなくお話が綺麗にまとまっていた、よい作品でした。TVアニメの冗長な展開はなんだったんだ。もうTVアニメ2期はやらなくていいので毎年新作映画出してほしいくらいです。それなら何度か見に行くためにお金落とすしフィギュアだってBDだって買っちゃうよ。最終的にはオンスロートみたいにめっちゃクロスオーバーしてくれ。
 これからどんな展開になるのかはわかりませんが、とりあえず劇場版のブルーレイの発売が楽しみです。