今日も歌があるから

Tiamat / T'apo Eagh / ScreenShots : http://www.flickr.com/photos/100497787@N06/

劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVEキングダムの応援上映に野郎一人で見に行ってきた話

うたの☆プリンスさまっ♪ (以下うたプリ)の劇場版が公開された。評判がよかったら行こうと思っていて、今週は行かずに静観していたのだけど、好評のようなので仕事帰りに行ってきた。しかも時間の都合でいきなり応援上映に。多少ネタバレも交えつつ男性アイドルアニメについてのお話と劇場版の感想を書いていきます。

■男性アイドルアニメについて

 アイマスラブライブの影響もあってか、男性アイドルアニメがテレビアニメになることが増えてきた。私は元々の作品(ゲームとか)はほぼ知らず触らず、アニメになったものだけを見るというスタイルなので、もしかしたら元々二次元の男性アイドル作品は多数あったのかもしれない。ただ、ここ5年くらいの勢いは凄いなあと思いながら見ている。男性アイドル作品は中々に尖った作品が多くて面白いものが多いのだけれど、男性で見ている人はあまりいないのが残念だ。場合によっちゃアイマスラブライブより面白いと思うんだけどなあ。
 ちなみに男性アイドルアニメはあくまで自分基準で、大まかに3つに分けている。
 ※繰り返しますが、あくまで自分基準です
 
1.ストーリー重視
2.パフォーマンス重視
3.その他

1.ストーリー重視

 ストーリー重視は物語の延長上としてステージパフォーマンスがあるタイプ。「ツキウタ。」「B-PROJECT」「アイドルマスターSide M」「アイドリッシュセブン」「少年ハリウッド」あたり。アイドルとしての生活の中にドラマがあって、悩んだりぶつかったりしながらステージへ繋げていくタイプ。女性アイドル作品もだけど、基本的にアイドルアニメってスポ根気質なのでこの路線が強い。この中だと少年ハリウッドがとても面白くてオススメ。握手の回と26話、最高なんスよ・・・。

2.パフォーマンス重視

 パフォーマンス重視はとにかくステージがド派手で楽しいタイプ。道中の物語は全てステージに向けて繋がっていて物語パートはコアなファンに向けたものが多い。「KING OF PRISM」や「うたの☆プリンスさまっ♪ 」「スタミュ」はこのタイプ。キンプリはともかく、うたプリは最悪1話と最終話だけでも十分楽しめると思ってる。
 

3.その他

 その他は異端タイプ。「Dance with Devils」「DYNAMIC CHORD」とか。ダンデビの「我ら四皇學園生徒会」めっちゃかっこいいので聞いてほしい。ダイナミックコードは察してほしい。

 
 とまあ、こんな感じで男性アイドルアニメはなんとなくカテゴライズして見ている。うたプリは一応アニメ全話見ているのだけど、正直1話と最終話以外は印象が薄い。作品のファンからすると面白いのかもしれないけど、個人的にはちょっと退屈。とかいいつつ見てると最終話のブチ上がりが半端ないので見ることは見る。
 
 で、今回はこの中のうたプリの話だ。パフォーマンス重視作品。事前にざっくり調べたところ、ほぼライブで構成されていてドラマパートは無いって書いてあったので、見に行くことにした。あと既に見た人(男性)から「まだ見てないんすか????」って煽られたので行った。見てろよ!!!!
 
 ※ここからネタバレありの感想です※
 



 

■劇場版 うたの☆プリンスさまっ♪マジLOVEキングダムの話

 応援上映でレディースデーに行ったので劇場は盛況だった。男性のお客さんも自分含めて3人くらいいた。私は初見だし、隣にじっと見てる男がいても迷惑かと思って前から3番目の席の端っこで座って見ることにした。ここから感想。
 

1.残念だったところ

 まず先に残念だったところを書かせてほしい。そのあとよかったところ沢山書くので。残念だったところはトークがなげえ!もっと歌って踊ってくれ!中間のトークは全部削ってフルサイズバージョンが見たい!1!!!1!以上!1!!!
 

2.抜群のエスコート力

 ...で、よかったところなんですけど、うたプリはタイトルにプリンスって入ってるだけあって観客をお姫様のように扱ってくれる。しっかりとこっちの手を握って、目を見てエスコートしてくれる。仲間の一人として認めてくれて、一緒に歩いてくれる。このあたりアニマスが少し近いかな、と思う。でも、アニマスのプロデューサは完全に人格を持って歩いてるので自分の分身とは思いにくい。うたプリは同じポジションに春ちゃんがいるけど、彼女は優柔不断だし性格も若干不安定だったりで、見てて危なっかしいところが感情移入しやすい。いや私、男なんですけどもね。ともかく、あの不安定さが彼女の存在を希薄にさせて「私が(俺が)しっかりせんと!」と思いながら見ているので、うたプリのキャストは段々チームメイトに思えてくる。一緒に高み、目指そうぜ!!ってなるなった。
 それでこの完璧なエスコート力ね。自分が女性だったら即落ちですわ。

3.劇場版で出てきたグループたち

 劇場版では3つのグループが出てきてパフォーマンスをしてくれた。まずはご存知ST☆RISH、メインの7人。聖川は相変わらず、相変わらずだった。お次はQUARTET NIGHT。スターリッシュのパイセングループよろしくまっちょんちょん。そんで最後にST☆RISHのライバルグループ、HE☆VENS。鳳瑛一率いる曲者ぞろいのグループ。ダンスも歌もハチャメチャにかっこいい。アニメ4期のラストでこの3グループが激突して、高め合ったその先にあるのが今回の劇場版ライブというお話だ。劇場版で歌った楽曲の詳細についてはそれ用のアルバムが出ているみたいなのでそれも参考にしてほしい。

4.ステージ演出がいい!

 ステージ演出がすごくよかった。おおよそ現実じゃやれなそうな演出がこれでもかってくらい押し寄せてくる。「空飛ぶ機関車に乗った18人の王子さまがお城から出てきて歌ってくれるんだけどさ~~~」とか言っても虹色のクスリキメたのかなって思われるだけだろうけど、実際そうだったんだよ、フライトゥーザフューチャー!フライトゥーザフューチャー!
 他にもローラー付きシューズとフライングボードが合体して空飛んだり、人が丸焦げになりそうな火力の炎出したり噴水で30mくらい浮き上がったりしてた。ヘヴンズ宙吊りで降りてきてくるくる回りだしたときは笑った。こういう、現実世界ではできないことを見せる、というのはキンプリとかアイカツでやっているけれど、キャラクターがふわふわ踊って花を出したり腹筋が鋼鉄になって聖剣を弾いたりする特殊能力のような演出ではなくて舞台装置の一つとしてのファンタジックな演出は、彼らが一人の人間であり観客を楽しませるアイドルであることを伝えたいのかなあ、と思った。
 アイカツもキンプリも面白いし大好きだけど「自分とは違う特別な人である」という設定を持ってしまうので、こうした親近感は生まれにくいんだよなあ。
 

5.HE★VENSがイイ!

 次にヘヴンズがいい、めっちゃイイ。ムチャクチャかっこいい!アニメ4期でヘヴンズは文字通り天使となって我々視聴者及び審査員を光の波動を持って浄化した訳ですが、今回はそういった煌びやかさは抑えて、歌唱力とダンスパフォーマンスを引っ提げて助走つけてぶん殴ってきた。私の中で今回一番格好良かったのは「愛を捧げよ ~the secret Shangri-la~」でした。青い炎で一瞬姿を消すところとか流れるようなダンスと歌の応酬がめっちゃかっこよかった。終わってすぐ曲買ったもんね。
 鳳ニーサンはアニメだとサイコパス音也洗脳ホームオブハートニーサンだったのに、めっちゃかっこよかった。エゴイスティックもヤバでした。弟はたそだったのを後で知った。
 

6.よくやったぞ聖川!

 それと聖川もよかった。よくやったな聖川!髪かき上げただけで歓声もらってるじゃねーか聖川!スペシャルユニット曲かっこよかったぞ聖川!!!!トークでちゃんと観客に意味が通じる日本語喋れてえらい!1!!!
 

7.流れ星のシーンについて

 最後に、これは演出面ですごく良かったところで、最後に18人全員で1曲歌っているとき、間奏部分で流れ星が流れるシーン。それを翔が見つめるのだけど、アレって本当は観客も含めて全員に見えていたと思うんですよね。でも翔が映されたというところが好きで。翔は心臓に病気があって身体が弱かったのに龍也パイセンに憧れて凄く努力したキャラです。それがこんな大舞台に立ってる。音也と同じで夢を叶えたキャラなんですよね。音也はアニメやこの劇場版でそのことを沢山話しているけど、翔は今までそういうこと、あんまり話しているところを見たことが無かった。だからこのシーンが「次の夢は?」って翔に問いかけているようで、ジーンときた。もしかして脚本の人、そこまで考えてないかもしれない。
 
 

終わりに

 アイドルアニメ作品において高いクオリティのアニメーションでライブシーンをずっと見ていたい、というのは作品問わずファンならみんなが願っていることだと思う。それをちょっとトークは長かったけど、バッチリ応えてくれた作品だった。ファンじゃない、ましてや男性が見に行くのは中々ハードルが高いけれども、アイマスラブライブとはまた違うアイドルアニメとして、もし余裕があったら見に行ってみてほしい。90分フルタイムでライブしかやってないからダイジョーブ。
 
 おしまい